Year: 2009
Type: review
Abstract: は じ め に 真菌に限らず微生物が生体に侵入し,定着,増殖をす ることにより,生体に何らかの反応が生じることを感染 が成立したという.またこの微生物(病原体)が生体に 反応を起こさせる性質あるいは原因物質を病原性因子と いう. 本稿では病原性真菌 Candida albicans の病原性因子に ついて,Fig. 1 に示すように①生体に取りつく手段であ る定着(付着あるいは接着)因子,②生体組織に侵入し 破壊する手段である侵襲因子,③生体の防御機構から逃 れる手段の 1 つと考えられるバイオフィルム形成に焦点 を当てて解説する. 1.定着因子 Fig. 2 に示すように,定着に関わる因子は菌体表層の 構造物である.C.albicans の表層構造の1つ細胞壁は主 に2層からなる.細胞膜に近い方の内層はβ-1,4 結合に よる N-アセチルグルコサミンの重合体キチンとβ-1,3 結 合によるグルコースの重合体β-1,3-グルカンからなる. 外界と接する外層はβ-1,6 結合によるグルコースの重合 体β-1,6-グルカンからなる.実際に接着の機能を示す物 質の大部分はβ-1,6-グルカンに GPI(glycosyl phosphatidyl inositol)アンカーで結合している細胞壁タン パク質である.β-1,3-グルカンに結合している ASL (alkali-sensitive linkage)細胞壁タンパク質で接着に機 能するものは,現在のところあまり研究されていない. 定着に関わる GPI-細胞壁タンパク質には,他物への 接着を固有の機能としているらしい狭義の定着因子 (adhesin)と本来酵素であるが接着機能も示すものがあ る.前者には Als(agglutinin-like sequence)family タ ンパク質,Hwp1(hyphal wall protein 1) ,および Eap1(eukaryotic translation initiation factor 4E-associated protein 1)が含まれ,また後者には Sod(superoxide dismutase)4から6が該当するが,Sap(secretory aspartic protease)9と 10 および Plb(phospholipase B)5もこの範疇に入る可能性が報告されている. 細胞壁の内側に存在する細胞膜には膜タンパク質が多 数存在するが,その一部には Int1(integrin-like protein 1)のように接着機能を示すものもある. (1-a)Als family 1995
Source: Nippon Ishinkin Gakkai Zasshi
DOI: 10.3314/jjmm.50.179
Author: Tamaki Cho
Institution: Fukuoka Dental College
Language: Japanese
Subfield: Infectious Diseases
Field: Medicine
Domain: Health Sciences
Open Access status: bronze
OpenAlex ID: W1992550294
