Year: 2025
Type: article
Study design: Observational Study
Abstract: 本研究は日本鼻科学会会員を対象に嗅覚検査の普及率と診療実態を明らかにすることを目的とした横断的アンケート調査である。嗅覚検査は,嗅覚障害の診断および治療効果の評価において極めて重要な役割を果たすが,その普及率は依然として低く,施設体制ごとに実施状況が異なる。本研究では,①回答者の医師経験年数,②回答者の年代,③所属施設の都道府県名,④施設体制(医育機関,市中病院,クリニックなど),⑤嗅覚検査の実施の有無,⑥実施している嗅覚検査の種類(基準嗅力検査;T&Tオルファクトメーター,静脈性嗅覚検査;アリナミンテスト),⑦嗅覚に関するアンケートの実施の有無,⑧嗅覚専門外来の有無,⑨味覚障害診療の有無,⑩嗅覚検査を施行できない理由,⑪嗅覚障害患者のフォローアップ間隔,⑫嗅覚障害患者のフォローアップ期間について調査を行った。その結果,基準嗅力検査は医育機関,病院,クリニックのいずれにおいても過去の調査結果と比較して増加傾向にあった。嗅覚検査の実施を妨げる要因として,「検査設備の問題」,「検査時間やマンパワーの不足」,「予算の問題」などが挙げられた。また,静脈性嗅覚検査の実施率が高い一方で,2024年7月のアリナミン注射液®の販売中止により施行が困難となることが示唆された。嗅覚検査を実施していない施設の約半数ではVAS(visual analog scale)や日常のにおいアンケート(self-administered odour questionnaire:以下,SAOQ)などが用いられていたが,半数の施設では嗅覚評価が行われていなかった。本研究は,日本における嗅覚検査の実施状況とその課題を明らかにし,嗅覚検査の現状を把握するための一助となる。嗅覚検査の普及率を向上させるためには,嗅覚障害診療の重要性を広く周知し,また簡易に実施できる嗅覚検査を早急に確立することが重要な課題となる。
DOI: 10.7248/jjrhi.64.236
Authors: Takahiro Saito, Takaki Miwa, Kenzo Tsuzuki
Institutions: Hyogo Medical University, Kanazawa Medical University
Language: English
Subfield: Sensory Systems
Field: Neuroscience
Domain: Life Sciences
Open Access status: diamond
OpenAlex ID: W4412565453
