部分的大動脈内バルーン遮断併用下の血管内治療による止血とその後の手術により救命できた出血性胃潰瘍の1例(A case of hemorrhagic gastric ulcer successfully treated with partial resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta with damage control interventional radiology for hemodynamic stabilization, followed by interventional radiology and surgery)
Year: 2026
Type: article
Study design: Case Report
Abstract: 要旨 症例は76歳の女性で,前医で高度の貧血を認め,上部消化管内視鏡検査により出血性胃潰瘍と診断された。当初は保存的に加療されたが,その後に再出血した。内視鏡での止血が困難であり,さらにショックとなったため,輸液や輸血の大量投与と気管挿管をされ,緊急搬送された。当院へ到着時もショックバイタルであった。しかし当院での輸液と輸血のボーラス投与に反応したため,造影CT検査を施行した。その結果,胃潰瘍が脾動脈本幹に穿破しており,そこからの血管外漏出像を認めた。また血液検査では,高度な代謝性アシドーシスと凝固障害を認めた。そのため手術は困難と考え,血管内治療の方針とした。しかし再度ショックバイタルとなり,ボーラス投与にも反応しなくなったため,部分的大動脈内バルーン遮断(partial resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta: P–REBOA)を施行した。その際に,バルーンカテーテル挿入部位での大腿動脈圧を測定し,大動脈遮断部より遠位の血流を監視することで,虚血再灌流障害などの合併症に配慮した。P–REBOAで循環動態を保ちながら,脾動脈の塞栓術を施行した。遮断時間は71分であったが,合併症を来すことなく経過した。このようにP–REBOAは,内因性の出血性ショックに対する治療選択肢の1つになりうると思われた。
DOI: 10.1002/jja2.13094
Institution: Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center
Language: English
Subfield: Gastroenterology
Field: Medicine
Domain: Health Sciences
Open Access status: bronze
OpenAlex ID: W7127168324
